至上稀に見る驚異の逆転劇――。女子ゴルフの海外メジャー今季第4戦・エビアン選手権最終日(フランス・エビアンリゾートGC=6523㍎、71)は14日、首位に1打差の2位タイでスタートした古江彩佳が、残り5ホールで3バーディー、1イーグルの猛攻で通算19アンダーとし、日本勢4人目の海外メジャー優勝を果たしました。
前半は我慢のパーセーブを続けながら、首位スタートのステファニー・キラコウ(豪州)とローレン・コフリン(米国)を追いかける展開。12番のボギーで13番終了後に3打ビハインドとなり、土俵際へと追い込まれました。しかし14番パー3と続く15番パー5で10㍍以上のバーディーパットを沈め、16番パー3はグリーンの傾斜をうまく利用してカップ1.5㍍に寄せて3連続バーディー。圧巻はキラコウと17アンダーで並んで迎えた最終18番パー5。セミラフからの2打目(169㍎)を6番アイアンで果敢に攻めて池越えの2オンに成功。5㍍弱のイーグルパットを慎重に沈めると、右腕を高々と突き上げました。
日本女子のメジャー制覇は、樋口久子、渋野日向子、そして今年の全米女子オープンを制覇した笹生優花に次ぐ4人目。渋野の優勝も劇的でしたが、終盤に神がかったパットを入れ続けた古江のパフォーマンスは、多くのファンを魅了しました。
ホールアウト後の記者会見で「攻めるプレーをすればいいとスタートしたが、なかなかバーディーチャンスにつけられず、苦しいラウンドだった。最近、大好きになったスターウォーズのジュダイの言葉にMay the force be with you という言葉があり、15番からは自分を信じてプレーしました」と語った古江。ツアーで一番小さい153㌢がひときわ大きく見えました。
最終18番のプレーについて、古江は「まずはフェアウエーキープでしたが、ファーストカットに行ってしまった。上か手前のクラブか迷ったが、上のクラブにしてよかった。プレーオフには持ち込みたくなかった」と話しました。
米女子ツアーの今季CMEランキングでは、首位のネリー・コルダ(米国)に次いで2位に浮上。スタッツをみると、平均スコアは69.89で堂々の1位。バーディー数も237個で1位。ドライバー飛距離は250.75で122位ですが、パーオン率は71.68%で11位とショットの正確さが分かります。平均パット(1ラウンド)は29.19 で12位につけています。
古江は渡米前の国内ツアーの2020-21統合シーズンでも平均パット(1ラウンド)は28.88で3位、バーディー数が531個で4位と、ショットの正確さとパッティングでスコアを作ってきました。LPGAツアーではマッチプレーの大会もあり、古江は2年連続で決勝に進出するほど、勝負所での強気のパッティングが光る。飛ばす選手にアドバンテージのある海外ツアーで、ショットの正確性とパッティングで勝負する古江。残念ながらパリ五輪代表には僅差で落選しましたが、最後のメジャー・全英女子オープンでのメジャー2勝目に期待したいと思います。
時田 弘光
~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。全盛期は7000㍎級のコースでクラチャンになったこともありますが、今はドライバーで200㍎の壁と戦っています。
★シングルを目指すアスリートがプレーすべき関東のゴルフ場
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