来年から米女子ツアーで戦う意思を表明している22歳の岩井ツインズ。地元・埼玉で行われた三菱電機レディース最終日(埼玉県飯能市、武蔵丘GC=6650ヤード、パー72)は、妹の千怜が双子の姉・明愛の猛追を振り切り、今季3勝目とツアー通算7勝目を挙げました。地元ファンには願ってもない展開。最終ホール、2組前でホールアウトした姉や友人たちが見守る中で千怜がバーディーフィニッシュすると、大きな歓声が上がりました。
単独首位で出た千怜は、6バーディー、2ボギーの68で回り、大会記録となる通算16アンダーで優勝。4位からスタートした明愛は序盤にダボを打ちながら攻撃的なゴルフで66をマーク、通算14アンダーの2位タイで大会を盛り上げました。 「地元・埼玉で優勝することが目標だったので、達成できてうれしい」。表彰式で笑顔をはじけさせながらスピーチした千怜。優勝のかかった最終日のラウンドは、「パー5すべてでバーディーを取れたのは良かったが、パー3でスキを与えるような危なっかしいゴルフ」でした。
優勝へのキーホールは8番パー3(160㍎)。ピン位置はグリーン左奥。ピン右サイド手前がベストポジションですが、千怜のショットはひっかけ気味で左奥のラフへ。同組で3打差を追いかける吉田優利はすかさずピン下2㍍につけるスーパーショット。バーディー、ボギーなら一気に1打差に縮まるという場面で、千怜は絶妙なロブショットでワンピンに寄せて、見事にパーをセーブしました。
「難しいアプローチでうまくパーセーブできた。ボギーだったら、どうなったか」と振り返りました。そして続く9番では、6㍍をねじ込んでバーディー。同じくバーディーの吉田に「(優勝は)譲らないという姿勢を見せることができた」。
迫る敵は吉田だけではありません。姉・明愛は9番パー5で2打目を“ジカドラ”でグリーンエッジにまで持ってくるショットでバーディーを奪い、ギャラリーを沸かせました。明愛は前半にシャンクによるダブルボギーで出遅れましたが、3連続バーディーで上がってみれば、吉田と並んで2位フィニッシュ。
優勝後のファンへの動画で、千怜は「最終ホールに行く途中のリーダーボードで明愛の名前を見て、2位まで上がってきていて凄いな。地元愛があるんだなぁと思いました」と話しました。もちろん、姉へのライバル心もあり、「明愛が3勝していて自分は2勝。負けられないという気持ちがあった」と明かしました。
来週は米ツアー公式戦のTOTOジャパンクラシック(滋賀県、瀬田GC北C)。優勝すれば、12月の米ツアー最終予選会にエントリーする必要なく、ツアーカードを獲得できる。「来週は最終日最終組で明愛と回りたい」。メルセデスランキングでも3位の明愛と5位の千怜。来年の米女子ツアー出場権をかけた白熱のプレーを期待しましょう。
時田 弘光
~No Golf No Life~
以前は真剣に競技ライフを送ってきた雑草勤め人ゴルファー。現在はおひとりさまゴルフなどで、自堕落でゆるいラウンドを楽しんでいます。全盛期は7000㍎級のコースでクラチャンになったこともありますが、今はドライバーで200㍎の壁と戦っています。